自社株買いの見方とその需給をトレードに活かして稼ぐための基本的な考え方について!


今回は自社株買いを短期トレードに活かすというテーマです。

先週の相場でソフトバンクが巨額の自社株買いを表明し、ソニーも10年以上ぶりに(グループ再編等の目的ではなく、株主還元としてはソニーでは初めて)自社株買いを行うと発表するなど、注目を集めている話題ですね。

今回の記事では、トレードにおける自社株買いの重要な論点の説明に始まり、需給に与える影響の考え方等について書いていき、売買プランを検討していく上でのヒントになればと思います。

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自社株買いの買い付け方法

これは主に、立会内での買付、ToSTNeT2(終値取引)、 ToSTNeT3での買付があります。

ToSTNeT3は最近大きく話題になった案件で言うと、2018年の東芝の巨額の自社株買いの時にも使われたスキームですね。

自社株買いのための取引制度で8:00から8:45で受付があり、買えるのは自社株買いの買い付ける会社のみですね。

買付分を超過する 売りが出れば、按分で成立されます。これは、TOBの応募の抽選と同じですね。

ToSTNeT3 での買付を発表していて、その後例えば、数日後市場内での買付に移行するようなパターンとかもありますね。東芝がそうでした。

市場内での買付以外の場合は、ケースによって、特定の期間の市場へのインパクトがとても読みにくい為、今回のブログではまずは、市場内での買付の場合に関して考えていくものとします。

自社株買いIRから必要な情報を読み取れ!

最初に述べておけば、良かったですが、

適時開示TDnet(https://www.release.tdnet.info/inbs/I_main_00.html)や個別企業のIRのページから文書を取ってきて、情報をそろえていくことになります。

今回はまさに現在話題の2月6日に出たソフトバンクグループの開示を見ていきましょうか。

https://www.release.tdnet.info/inbs/140120190206471098.pdf


上が、その開示文書ですね。

自社株買いの期間をまず見よう

取得期間のところに、2019年の2月7日から、2020年の1月31日とあります。

およそこっから最長1年弱で取得するということですね。

取得方法は?

信託方式による市場買付とあります。

これは信託銀行に一任して行う方式ですね。

もちろん、企業からしたら、制度上は自社で買うことも可能でしょうが、自社株買いには、執行等に関し、色んな禁止事項等やインサイダー防止のための方策の検討もあり、年や数年に一回の自社株買いに関して、普通の事業会社がそういうのを調べて、市場で執行するのは、非常にコストが掛かるという点で、信託方式というのがあります。

ソフトバンクグループもこれとなってます。

最初に述べたように市場内以外では、 ToSTNeT3 等もよくあります。

自社株買いの規模は?

自社株買いの規模って結構いろいろ見る点が多いです。

まずは、発行済み株式数に対する規模を見てみましょうか。

発行済み株式数は、1090236812株とあります。

今回の自社株買いの規模は最大112000000株ですね。金額では、6000億と記載されています。

株数を見て比率にすると、10.27%くらいですね

これは極めて、本当に大きな数字です。

ただ、後で詳しく、買付想定価格のところで、触れますが、金額の制約もあるので、先に金額の制約上限が来ることも多くあるので、今回の場合も10%まで買う可能性はかなり小さいですね。

ちなみに、2018年の12月にあった、9434のソフトバンクの株式の一部売却の資金の内、6000億を自社株買い、7000億を負債削減、7000億を新規投資に充てると孫社長は述べていますね。

自社株買いの規模について浮動株に対して考えようか

発行済み株式数というより、浮動株に対する比率を考えた方がより、実態に即したインパクトを考えることができます。

例えば、多少株が上下したところでソフトバンクグループ株では孫さんが市場でソフトバンクグループ株を売るとは考えにくいですよね。

TOPIXやマザーズ指数もそうですが、浮動株比率を使ってで計算されているものが多いですね。

本格的にこのような特殊な需給機会を利用したトレードしていくなら、どの浮動株の数値を使うか、あるいは株主構成等をより詳細にしっかり自分で調査して実態に即した浮動株を考えていく、ってのもかなり重要なポイント(TOB銘柄の理論価格を考えるときなどより重要ですよね)です。

少なくとも四季報の数字は定義上あまり使い物にならないですね。

1単元以上50単元未満の株主の株式保有数持株の合計 が四季報における浮動株の定義となっていますが、50単元や100単元で株価の多少の上下で売買する人はたくさんいますよねwww

今回は、ここについては簡単に済ませますが、例えば、インデックスの持ち分(日銀ETFでの間接保有含め)や創業者持ち分、株式持ち合いなどはある程度推定がしやすいとは思います。

自社株買いのインパクトを市場への1日の需給への影響に落とし込もうか

これを考えるうえでは、必然的に自社株買いの買い執行の仕方(ペース)を考えていく必要があります。

例えば、今回のソフトバンクの買い付け期間は約1年弱で土日除いて、およそ250日としましょうか。112000000株の買い付けだったので、1日当たり、448000株ずつ毎営業日ずつ買っていくんでないの??

って思うのが普通ですよね。

ただ、それやそれに近い形とは限らないこともむしろ多くあります。

例えば、2016年の9984ソフトバンクグループのの5000億の自社株買いを見てみましょうか。

この時も市場内買付で、167000000株、5000億最大ですね。

EDINETで検索すれば、当時の買い付け報告書とかも5年までさかのぼれるので、見てみましょうか!開示の数字から、表にすると下のような感じですね。

購入日 購入株数 累計
2月16日 886000 886000
2月17日 11725600 12611600
2月23日 2140000 14751600
2月24日 2550000 17301600
2月25日 3200000 20501600
2月26日 1900000 22401600
2月29日 2000000 24401600
3月1日 540200 24941800
3月18日 220000 25161800
3月22日 100000 25261800
3月23日 10000 25271800
3月24日 1800000 27071800
4月1日 3050000 30121800
4月4日 2200000 32321800
4月5日 3050000 35371800
4月6日 3350000 38721800
4月7日 2572400 41294200
4月8日 180000 41474200
4月11日 270000 41744200
7月29日 3650000 45394200
8月1日 3252000 48646200
8月2日 4187600 52833800
8月3日 1860000 54693800
8月4日 3250700 57944500
8月5日 1822000 59766500
8月8日 1534200 61300700
8月9日 2800000 64100700
8月10日 4661100 68761800
8月12日 5756900 74518700
8月15日 4756800 79275500
8月16日 4540000 83815500
8月17日 1325300 85140800

表をグラフにすると上のような感じですね。

上が期間すべてで、全期間での購入ペースが分かりやすいですね。下は購入日のみで、買った日や株数を見やすくしています。

重要な点を2点言うと、

まず、1点目は、買い方についてです。

2016年2月16日から、2017年2月17日を買い付け期間としてますが、均等に買ったりせず、計31日の購入日で購入株数も結構バラバラなことです。16日少ないのと、17日異常に多いのはストップ高の影響もあるかもですね。

さらに、8月17日には、ほぼ5000億の金額の上限(499999515200円)まで買い切り半年の期間を残して買い切っています。

2つ目は、株数の上限が167000000だったのに、半分程度の85140800で終わってることです。これについては、最初の方で少し触れましたが、重要な話なので、次の節で説明しましょう。

想定取得単価はどれくらいになってる

株数と金額の上限もインパクト算定において重要な論点です。どちらかが上限まで行くと、それは終了するので。

例えば、2019年の2月6日の9984の開示なら、6000億と、112000000株が上限ですが、112000000株を6000億で5357円ほどを想定取得単価として想定していることになります。

前回2016年も株数的には、半分程度で、上限の5000億程度になりましたが、今回もその可能性は十分あるということが分かりますね。

よって今回も、発行株の10%強という議論は、相場が大崩れしない限りは厳しくて、5%程度になる可能性も十分ありうるということも考えられます。

これもまず、買いじみた瞬間に、確かめるべき話ですね。

買付ペースだけでなく、上限まで買うかって問題もあります

長年日本株やってる人など、詳しい人は色んな企業の買い付けの執行のパターンや上限まで買うかについて熟知している方もいるとは思います。(もちろん、毎度同じ様な買い方をしない企業も多くありますが。)

買付のペースも、期間である程度均等に買っていく場合もあれば、9984SBGのように変則的な場合などもあります。

役に立たないことも多々あると思いますが、そういう地道な調査も重要だと思います。

下に、いくつかの例を書いておきます。

1のように、期間内にある程度均等に買っていく

2のように、期間の前半で一気に買う

3のように、期間後半でいっきに買う場合

4のように、上限の金額、株数に対して、かなり少ない比率しか買わないのが毎年のような企業もありますね。

これだけ考えられれば、出来高に対するインパクト等も見えてくる場合もあるよね

例えば、9984ソフトバンクグループの50日平均出来高は、8500000株ほどです。

これに対し、買いが1000000株あったとしたら、関与率は11%ほどですね。

ソフトバンクグループの自社株買いは、発表の翌々日には10000000株以上買っているなど、変則な買い方をすることもあり、難しいですが、

ちょうど期間の中で均等に買っていく場合等はインパクトも読みやすいですね。

これも毎月開示される買い付け報告書で記載されている結果を追っていくことが重要です。

もっとも、発表後翌営業日や翌翌営業日は発表に反応しての投機的な取引も多く出てくるので、実際には平時の出来高での関与率とは実際には結構異なるでしょう。

最後に

このようなデータをしっかり蓄積していくにしておくと、役に立つことも出てくると思います。

短期トレードにおいて、通貨や商品、指数先物だけでなく、せっかく個別株をトレードするなら、個別株の需給に大きな影響を与え、必ず発生する買いや売りの需給にまず注目するのは、極めて有用です。

TOBとかインデックスのリバランスもそういう株式特有の需給発生の一例ですよね。

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自社株買いの要素を単純に切り取る、取引の具体的で簡単なアイデアとしては、例えば、調査したうえで、

とある地銀株Aに市場内で、大きな自社株買い発表で出来高への関与率や、浮動株への関与率を考慮すると、 △の期間において、〇%から×%程度、□(例えば、業種バスケット)をアウトパフォームするという見込みがあれれば、

発表翌日の朝のプライスが〇より割安なら、その期間において地銀Aをロング、TOPIXのような計算式の浮動株時価総額の比の計算で作った30銘柄ほどの地銀バスケットショートで勝負するとかが考えられます。市場全体の上下やセクター等のリスクを排除するということです。

専業で数十分から数時間程度のレベルのタイムフレームでもデイトレができたりする方なら、需給が思惑通りに動いているのを確認しながら、ポジションを増やしていったりも有効でしょう。

ちなみに、余談ですが、今ワシントンでは、バーニーサンダースやチャックシューマーが企業の自社株買いの制限を求めたNYタイムズへの寄稿などがそれなりに注目を集めているようです。広く支持を得ることは無いでしょうが。



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